医療用弾性ストッキング
医療用弾性ストッキングは、下肢静脈瘤の治療・予防で使用される特殊なストッキングです。
以前は医療機関でのみ販売されていましたが、近年は、薬局やドラッグストア、インターネットでも購入することができるようです。
弾性ストッキングのタイプ・サイズ・圧迫の程度にはさまざまな種類があります。そのため、誤ったものを購入したり、誤った方法で使用することで、十分な効果が得られない・逆効果になるということがあります。
せっかく頑張ってはくのでしたら、十分な効果が得られる医療用ストッキングをおすすめします。
必ず、専門の医療機関を受診し、医師や看護師と相談して、選択・購入しましょう。
市販と医療用の弾性ストッキングの違いは?
医療用の弾性ストッキングは、市販のものとは異なり、特殊な編み方がなされています。また、足首の圧迫がもっとも強く、太ももに近づくにつれて圧迫が徐々に弱くなっていく設計になっています。これは血液・リンパ液を、正しい方向(下から上)へと流れやすくするための設計です。
また、医療用のものはハイソックスタイプ、ストッキングタイプ、パンストタイプから選ぶことができます。
医療用の弾性ストッキングはやや高価ですが、、ご自身に合ったものを選択することで、十分な効果を得ることができます。
弾性ストッキングを履くタイミングは?
弾性ストッキングを履くタイミングは、「心臓より足が下に位置するとき」です。つまり立っている・座っている・歩いている日中ということになります。
夜間(就寝中)に履く必要はありません。なお、夜間にのみ着用するという使い方では、効果が少ないと言われています。
弾性ストッキングの履き方
ご来院時に、弾性ストッキングを着用するときのポイントを詳しくご説明します。
なお、弾性ストッキングを履くだけで下肢静脈瘤が治るということはありません。あくまで、症状を改善するための治療に使用するものです。
医師や看護師と相談し、適切なものを使いましょう
サイズはもちろん、圧迫の強さや形(ハイソックスタイプ・ストッキングタイプ・パンストタイプ)など、医師や看護師と相談した上で、適切なものを使用しましょう。
正しく履きましょう
医師や看護師の指示に従い、正しく履くようにしましょう。なお、普段履いているストッキングの上から、弾性ストッキングを重ねて履くことに問題はありません。むしろ、滑りが良くなり着用しやすくなります。
その他、「このように使ってもいいのか」が気になったときには、事前に医師や看護師に確認しましょう。
適切な頻度・タイミングで交換しましょう
弾性ストッキングの着用を繰り返すうちに、どうしても圧迫は低下してきます。圧迫が弱くなってきたというときには、新しいものと交換しましょう。目安としては、2本の弾性ストッキングを毎日交互に使ったとして、半年~1年後くらいが交換時期となります。
もちろん、伝線したり、破れたときにも交換が必要です。
異常が生じたときには使用を中止し、医師に相談を
じんわりした圧迫ではなく、痛み、しびれなどの異常を感じたときには、すぐに使用を中止してください。血行障害などを起こしている可能性があります。
その上で、すぐに医師や看護師に相談しましょう。